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あさきゆめみし。

ゑひもせすん。



今日は読もうと思って読めていなかった
浅野いにおさんの単行本を2冊読みました。
浅野さんの作品は、いつも読み終わると少し笑う。
可笑しいのではない。
楽しいからでもなく、寂しくて笑う。
自分の中に在る世界観を吹き飛ばすために。


「浅野いにお短編集 ばけものれっちゃん/きのこたけのこ」

12(13?)の物語からなる短編集。
どれもこれも、世界の切り取り方が良い。
短編集というものは「色濃く」出るものなのか
筆者はけっこう、こうした「短編集」というのが好き。
「TEMPEST」が読み切りで掲載されるのは知っていたけど
読めるタイミングがなくて、これで読めて良かった。

どの物語も、「取るに足らない」ものばかり。
どこにでも在って、誰かがそうは思っていて
それでも「それ」で悩む事は少ないものばかり。
道に小さな石ころが在って、知らず知らず蹴飛ばされて
「この石は、蹴られてばかりで痛かろう」と思うような事ばかり。
こういう事をこういう風に書いて、それを読んでみて
「いちいち感傷に浸ってんじゃねーよ」となるのなら
それはそれほどに気にされていないという事で
実際そうした言葉もあるわけだったりはするので
感じれば感じるほど、とても寂しい事ばかり。

そう筆者が勝手に感じるばっかり。


「勇者たち」

種族も姿形も違う複数人の「勇者」たちが
世界を闇に導く「暗黒の王」へ挑む!
痛快異世界バトルファンタジー!

……ではない。
ごめん、最後だけ嘘。

生き物は、今は便宜上人間と限定するが
「人間」というカテゴリーで一括りではない。
白色人種だとか、黒色人種だとか、それも違う。
生物学上の分類は単なる「タグ」として考えた時
「人間とは」と追及した場合、人間とは「個」だ。
人間「だけは」それぞれが独立した生き物だと筆者は思う。

2019年の世界人口は7,678,174,656人。
猫にアメショーやスコ、マンチカンにスフィンクスとあるように
つまり人間にも、77憶近い「種類」があると、筆者は定義する。
ある程度備わっている理性により、何百年何千年という時間をかけ
様々な規定を作り出してはきたといえ、あくまで「規定」であり
それで制御が出来る行動など、実は高が知れている。
しかしこれも本来備わった生存本能により
自らを他と「一時的に」同調させる事で「個」を強化し
あたかもそれがひとつの「個」であるように見せる事もしてみせる。

「勝てば官軍、負ければ賊軍」と云うように
このみんなで生きている世の中というのは常に「上書き」だ。
大事なものとしてフォルダで保存してあるものも
それは「上書きに必要だから」残してあるというだけ。
誰が正義ではない。何が正義でもない。
誰が悪でも、何が悪でもない。
そういうものは、「規定されなくていい」ものだ。
「それを、みんなで、決めたがる」から、逆に決まらないんだ。
そして誰かが割を食い、上書きされて「ないもの」とされる。
その結果生まれるものが根本だとは、いつまでも気が付かずに。

……と、人が書きたがらないというか
「いちいち」書くと否定されるような物語だなと思いました。

by ryu-cat | 2019-01-12 15:16 | 日常雑記 | Comments(0)


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