狼狽。

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家へと帰る途中、少しずつ日が落ち始めていた。
辺りはまだ明るかったが、道路を走る車が車幅灯を点けている。
空はまるで夜明けのように雲を輝かせているというのに
それぞれの家の窓からは、電球色の光が零れてきていた。
昼と夜とが入れ替わる間の奇妙な空白のような時間に
魂だけがするっと連れていかれてしまいそうになり
目眩と動悸を必死に抑えて自分を保つ。
ふと顔を上げると、街灯の明るく温かい光に虫が群がっているのを見付けた。
いつまでも羽ばたいているものや蜘蛛の巣に搦め取られたもの
いつの間にか落ちて動かなくなったものなどたくさんいた。
本能的にそれを追いかけ、ぼろぼろになっていく様子が
ある種の安心感と嫌悪感を同時に引き出させ、ひどく嘔吐く。
暫くして漸く飛び立ち、別の光に気付いたところ
人間に叩き落とされ地面に落ちてしまった。
もうとっくに辺りは暗くなっていた。

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by ryu-cat | 2017-10-05 22:42 | ??? | Comments(0)


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