今何転目?
いつも通り仕事が終わり、いつもの帰り道を歩いていたら
足元がふらついているおじいちゃんが居て
「危ないな、あれ転んだりせんやろな」と見ていると
まるでビデオの一時停止のように全身がピタッと止まり
その体勢のまま前のめりに地面に倒れました。
狭いくせにやたらと車が通る道なので
急いで駆け寄って声をかけ、頭部の怪我の有無を確認し
「お父さん大丈夫? 歩けるか?」と聞くと「大丈夫」と答えるので
「家何処や? あれやったら一緒に帰ろか?」と家まで送り届けてきました。
おじいちゃんの家に着くと奥さんが居て
いきなり現れた筆者に驚いていましたが
「道路で転んでいたので連れ帰った」と説明すると
「以前にもそういう事があった」と心配そうな顔をしました。
ベッドに座ってもらうと擦りむいたのか服から血が滲んでいたので
服を脱がしてそれから救急箱を頼み、新しい服を着せて横になってもらいました。
強面で全身黒づくめのツナギを着ているのに
「慣れてるからヘルパーさんかと思った」と云われました。
……以前の仕事で「服を着替えさせる」のはいくらかやっていましたからね。
それから奥さんと少し話をしていると、お父さんはパーキンソン病らしく
本当ならあまり外出をしない方が良いという事でした。
以前お父さんが道路で転んでしまった時は、両手を振って必死に車を停めたんだそうです。
「ついでなので、重い物を動かすとか、雑用が在ったらやりますよ」と云うと
ひたすらにお父さんが「電話番号聞いとけ」と奥さんに云い、逆に気を遣わせてしまいました。
帰る時に見えなくなるまで見送ってくれ、役に立てたようでとても嬉しかったです。
筆者は何も出来ないけれど、こういう事が一つか二つ出来たらもうそれで良いと思いました。
無能なんだから、何か一つ出来たら上等でしょう。
そういえば、今日何故かお昼からとても腰が痛くなって
歩くのもぎこちなくなるくらいだったのだけど、必死でおじいちゃん支えてたら痛みを忘れてた。
そして今また痛くなってきた。
明日になったら治っているだろうか。