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見る文学。

不朽の名作を、アニメーションで。



去年の十月、深夜にあるアニメが放送されていました。

番組名を「青い文学シリーズ」といいます。

・太宰治「人間失格」「走れメロス」
・坂口安吾「桜の森の満開の下」
・夏目漱石「こゝろ」
・芥川龍之介「蜘蛛の糸」「地獄変」

以上六作品、全十二話。

キャラクター原案は、週刊少年ジャンプの漫画家さんが手掛けています。

内容は少し違和感を覚えますが
番組冒頭の、作家や作品についての逸話が好きでした。

例えば「走れメロス」

太宰治は、友人の檀一雄と、宿泊している旅館で豪遊し
支払いの為のお金も残さず、無一文になってしまいます。

そして、友人を旅館に待たせ、支払いを済ませる為のお金を
師匠である井伏鱒二に借りに行きました。

しかし、何日待っても太宰は帰ってきません。

仕方なく檀は井伏のもとへ行ってみる事にしました。

到着してみると、太宰はそこに居ました。

そこに居て、井伏と将棋を指していたのです。

どうやら、世話になっている師匠に
「お金を貸して欲しい」と云い出せない様でした。

それでも、待ち続けていた檀は怒らずにはいられません。
そこで太宰はこう云いました。

「檀君、待つ身が辛いかね。待たせる身が辛いかね」

これが「走れメロス」の発端です。

「待たせる方が悪いわ!」と思いますよね。

では何故、太宰は辛い気持ちになったのでしょう。

それはやはり、お互いが信頼に値する仲だったからです。

「あいつは待っていてくれる」「あいつは戻ってきれくれる」
そう思うからこそ、常に気にしていて申し訳なかったのです。

と、この様に一つ話を挟んでから始まるものですから
気軽に各作品を見る事が出来たりするのでした。

放送は終わってしまいましたが
現在、ブルーレイとDVDが順次発売されています。

興味があれば、お休みの日にでも是非。

青い文学シリーズ
by ryu-cat | 2010-03-11 21:44 | 日常雑記 | Comments(0)


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